韓国文化の台頭！K-popブームとの相乗効果で辛ラーメンがラーメン市場で大成功

米国の経済紙フィナンシャル・タイムズ（FT）は農心（ノンシン）新ラーメンの国際的な成功を取り上げた。農心が韓国文化の世界的な人気を背景にラーメン市場で大きな成功を収めていると報じた。

FTは、米国をはじめとする西洋圏でK-pop、韓国映画・ドラマの人気が高まる中、韓国料理に対する関心も同時に高まっていると報道した。映画『パラサイト』に登場する「チャパグリ」を、この現象の代表事例として挙げた。

FTによれば、新型コロナウィルスパンデミック期間中に、人々が自宅で手軽に食べられる美味しくてコストパフォーマンスの高い食べ物を求めている中、世界的にラーメンブームが起こり、農心が大きな恩恵を受けた。

農心の関係者はFTとのインタビューで「過去には主にアジア人がラーメンを食べていたが、今では辛い食べ物を試す若者層とヒスパニックが主な消費者層になった」と述べた。

FTは、米国のウォールマートが新ラーメンをアジアコーナーから主流の食品コーナーに移したことを象徴的な変化としている。農心が米国市場で高級化戦略を展開したことが効果的だったことを証明している。農心の新ラーメンブラックは高級商品として位置づけられ、地元の人々の口に合った。

世界のラーメン市場の規模は現在500億ドル（約7兆8550億円）だ。昨年の韓国のラーメン輸出額は10億ドル（約1570億円）で、過去最高を記録した。中でも農心の新ラーメンの売上は1兆2000億ウォン（約1380億円）を記録し、そのうち60％が海外で発生した。米国は農心の最大の海外市場となっている。農心は2030年までに米国の売上を15億ドル（約2356億円）の3倍に増やし、ラーメン市場で1位になることを目指している。

市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、農心は現在、米国ラーメン市場で25.4％のシェアを持ち、日本企業に次いで2位を記録している。農心は今年、米国の売上が増加すると見込んでおり、LA第2工場に生産ラインを追加し、米国第3工場および輸出専用の韓国工場の建設も検討中だ。

ヨーロッパでも新ラーメンの人気は上昇している。英国とドイツでは新ラーメンの売上が第1四半期に30％以上増加し、農心は来年に現地販売法人を設立する計画だ。農心は2024年のパリ夏季オリンピックをきっかけにヨーロッパ市場の売上が8000万ドル（約126億円）の30％以上増加すると見込んでいる。

しかし、ヨーロッパ市場はそう簡単ではない。地元の人々の食に対するプライド、ラーメンをジャンクフードと見なす否定的な認識、厳格な輸入規制などが障壁となっている。ユーロモニターのサニー・ムン研究マネージャーは「米国とは異なり、ヨーロッパの人々は食に対して保守的で、辛い食べ物を好まない」とし、「ヨーロッパでラーメンブームがすぐに起こることは難しい」と指摘した。

このように挑戦的な課題があるが、成功の可能性も十分にある。若者を中心に韓流に対する関心が高まっているため、これを活用したマーケティングを行うと効果的だ。

農心は今後も持続的な革新とマーケティング戦略を通じて、グローバル市場での地位をさらに強化する計画だと明らかにした。